オフィス移転で内装費が増える典型パターンと対策

オフィス移転は、見積を取った時点では収まりが良く見えます。

ところが工事が始まる頃に、内装費がじわじわ増えることがあります。

増える理由は、贅沢をしたからではなく、計画の前提が後からズレるからです。

内装費が増える現場は、だいたい同じところでつまずきます。

段取りの隙間、決め方の遅れ、範囲の曖昧さが、追加費用として表に出ます。

この記事では、増えやすい典型パターンを整理し、増やさないための対策を具体的にまとめます。

内装費が増えるのは悪いことではない

最初に大事な前提があります。

追加費用が出た時点で「施工会社が悪い」と決めつけると、判断が遅れやすいです。

移転は変数が多く、追加費用が“発生しやすい構造”を持っています。

ただし、増える理由が明確ならコントロールできます。

増える理由が曖昧なままだと、気づいたら積み上がります。

だから典型パターンを先に知っておくことが、そのまま防波堤になります。

1 工事範囲の線引きが曖昧

移転で一番多いのは、範囲の線引きが曖昧なまま見積を進めるケースです。

原状回復と新装の境界、ビル工事とテナント工事の境界、什器と造作の境界が曖昧だと、後から穴が見つかります。

穴が見つかると、どこかが追加で埋めることになり、費用が増えます。

対策はシンプルです。

「どこまでが工事で、どこからが手配か」を、最初に紙1枚で線引きします。

見積の比較もしやすくなり、後出しの追加を減らせます。

2 現地条件が見えていない

図面が古い、現地確認が浅い、この状態は危険です。

天井裏や床下の状態、既存設備の余力、配線の取り回しは、現地でしか分からないことが多いです。

工事が始まってから見える問題は、だいたい追加費用になります。

対策は、着工前に“見える化”することです。

可能なら現地調査を入れ、天井点検口の位置や既存配線の状況を確認します。

確認できない部分は「想定」として見積に明記し、追加の条件を先に握っておきます。

3 ビル側の指定が後から刺さる

オフィス移転では、ビル側のルールが強いです。

工事可能時間、搬入経路、養生範囲、申請フロー、消防・避難の扱いなど、後から効いてくる指定があります。

指定が後から出ると、工程が変わり、夜間作業や追加手配で費用が増えます。

対策は、ビル確認を“最初のタスク”にすることです。

管理会社へ確認し、必要書類や工事制限を早めに揃えます。

ビル側指定は、工程にも費用にも直結する前提として扱うのが安全です。

4 電気と弱電が膨らむ

移転の内装費が増える代表格が、電気と弱電です。

席数や働き方が変わると、コンセントとLANの要件が増えます。

会議室の機器が増えると、配線が増え、金物や機器も増えます。

対策は、要件の粒度を早めに上げることです。

「無線中心か、有線必須か」「会議室は何を映すか」「どこでオンライン会議をするか」だけでも先に決めます。

決める期限を置くと、現場が止まらず、追加になりにくいです。

5 仕上げと照明を最後まで迷う

仕上げと照明は、見た目に直結するので迷いがちです。

ただ、器具の納期と施工順があるため、いつまでも迷える領域ではありません。

迷いが長引くと、代替品対応や特急手配になり、費用が増えます。

対策は「迷っていい期限」を先に決めることです。

第一候補と第二候補を用意し、最終決定日を固定します。

このやり方だと、デザインの質を落とさず、工程も守れます。

6 工期短縮を後から要求する

移転は、最後にスケジュールが詰まりやすいです。

その結果、短縮のために人を増やす、夜間を入れる、休日を入れる、という選択が出ます。

これは高確率で費用が増えます。

対策は、短縮が必要になりそうな要因を先に潰すことです。

決める順番を守り、フリーズ日を置き、手配の境界を切ります。

短縮は最終手段として残し、通常工程で回る形を先に作ります。

内装費を増やさないための実務的な進め方

ここまでの対策を、実務に落とすとこうなります。

全部完璧にやる必要はありません。

順番だけ守ると、増え方が穏やかになります。

・原状回復と新装の範囲を先に切る

・現地条件の不確定を減らす

・ビル側指定を最初に回収する

・電気と弱電の要件を先に固める

・仕上げと照明の決定期限を置く

この流れができると、見積の比較もしやすくなります。

比較しやすいと判断が速くなり、判断が速いと追加が減ります。

結局、費用を守るのは「決め方」です。

まとめ

オフィス移転で内装費が増えるのは、範囲の曖昧さ、現地条件の未確認、ビル側指定、電気弱電の膨張、決定遅れ、工期短縮の要求が重なるときです。

どれも珍しいことではありませんが、先に手を打てる領域です。

線引き、現地確認、ビル確認、要件整理、決定期限、この順で整えると、増え方をコントロールできます。

仙杜工務店では、オフィス移転をご検討中の方に向けて、原状回復と新装の同時進行を前提に、見積前の線引きから段取りまで整理して進めています。

デザインの意図を守りながら、現場が止まらない決め方に落とし込み、無理な特急対応が出ない工程づくりを重視しています。

移転日が先に決まっている場合でも、どこから固めれば費用が増えにくいかを一緒に整理できます。

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