オフィス移転で「通信・電源」でつまずかないための確認ポイント

オフィス移転の内装工事で、最後にバタつきやすいのが「通信」と「電源」です。

壁や床、家具は目に見えるので早めに決めやすい一方で、通信と電源は“普段は当たり前に動いているもの”なので、つい後回しになりがちです。

そして後回しにしたツケは、だいたい移転直前にまとめて来ます。

ネットが遅い。

会議室だけWi-Fiが弱い。

席で充電できない。

複合機の場所を変えたら配線が届かない。

ブレーカーが落ちる。

こういうトラブルは、どれも致命傷ではないように見えて、業務を地味に止めます。

だからこそ、内装の見栄えと同じくらい、通信・電源の“前提づくり”が重要になります。

この記事では、オフィス移転の内装工事で通信・電源につまずかないための確認ポイントを、専門用語を増やしすぎずに整理します。

施工側としての視点も入れながら「移転前にこれだけ押さえれば、現場が荒れにくい」という形にまとめます。

つまずきの正体は設計ミスではなく決め方の遅れ

まず最初に、よくある誤解を1つだけ。

通信・電源の問題は「施工が下手だった」より「決め方が遅かった」が原因のことが多いです。

なぜなら、通信と電源は“使い方”が決まらないと正解が出ないからです。

どこでオンライン会議をするのか。

席は固定かフリーアドレスか。

来客は多いか。

プリンターは1台か複数か。

サーバー機器はあるか。

PCはノート中心かデスクトップもあるか。

こういう前提が曖昧なまま内装を先に進めると、後で通信・電源が追いかけてきます。

追いかけてくると、工事中の変更になります。

変更は追加費用と工期の圧迫につながりやすいです。

だから、最初にやるべきは設計図の前に「運用の整理」です。

ここが整うと、工事も安定します。

まず押さえるべきは通信と電源の全体像

個別のチェックに入る前に、全体像として最低限この2点を押さえます。

1つ目は、社内ネットワークの“入口”がどこか。

回線の引き込み位置、機器を置く場所、保守の窓口が誰か。

ここが曖昧だと、移転日にネットが開通しないリスクが上がります。

2つ目は、電源の“上限”がどれくらいか。

難しい計算は不要ですが「落ちる可能性があるかどうか」を早めに判断します。

判断するために、後述する“機器の棚卸し”が効きます。

この2つを押さえると、細かい配線計画の判断が軽くなります。

通信でつまずかないための確認ポイント

通信で詰まる現場には、共通する落とし穴があります。

特に多いのは、次の3つです。

回線工事のリードタイムを軽く見ている

回線の手配は、思ったより時間がかかることがあります。

移転日が決まってから動くと、開通日が合わないリスクが出ます。

工事の段取りと別レーンなので、先に走らせるのが鉄則です。

確認することはシンプルです。

「回線の開通予定日」「必要工事の有無」「現地調査が必要か」

この3点だけでも先に押さえると、移転当日の事故が減ります。

機器置き場が決まっていない

ルーターやONU、HUBなどの機器置き場は、後回しにすると必ず困ります。

置き場が決まっていないと、コンセント位置も決まらず、配線の逃げも決まらず、結果として“床に転がる配線”になります。

見た目も悪いですし、清掃性も落ちます。

おすすめは、最初に“通信の巣”を1箇所決めることです。

物置の一角でも、受付裏でも構いません。

熱がこもらない、触れる、鍵がかけられる、掃除できる。

この条件で置き場を決めると、以降の判断が一気にラクになります。

Wi-Fiは置けば届くと思っている

Wi-Fiは魔法の霧ではありません。

壁、天井、ガラス、距離、利用人数で効きが変わります。

「会議室だけ弱い」「奥の席だけ不安定」は、移転後によく起きる典型です。

対策として現実的なのは、会議室と執務の“用途が重い場所”から優先して考えることです。

オンライン会議が多い部屋、来客が多いエリア、動画を扱う部署。

ここを安定させると、体感の不満が大きく減ります。

電源でつまずかないための確認ポイント

電源での事故は、原因が単純で分かりやすいです。

「必要な場所にない」か「足りない」かのどちらかです。

そしてこれも、運用を先に整理すれば大半は防げます。

まず機器を棚卸しする

電源計画の最短ルートは、機器を数えることです。

型番や消費電力まで完璧にしなくて大丈夫です。

重要なのは“種類と台数”です。

例としてはこうです。

PC、モニター、充電器、プリンター、複合機、シュレッダー、冷蔵庫、電子レンジ、電気ポット、サーバー、NAS、受付端末、サイネージ。

会議室なら、モニター、カメラ、マイク、スピーカー。

これを並べるだけで、どこに何口必要かが見えてきます。

見えてくると、コンセント不足の追加工事が減ります。

コンセントは数より配置で決まる

「多めに付けたのに足りない」は、配置が原因です。

席の位置、通路、家具、配線の逃げを無視すると、使えないコンセントが増えます。

逆に、数が少なくても“使う場所にある”と満足度は上がります。

席まわりは、次の考え方が安全です。

机の脚元に1つではなく、机の使い方に合わせて“手元に寄せる”。

掃除機を挿す場所を決める。

受付・複合機・会議室は専用で確保する。

ここを押さえると、延長コード地獄から抜けやすいです。

ブレーカーが落ちる現場の典型

ブレーカーが落ちる現場には、だいたい共通点があります。

複合機、電子レンジ、電気ポット、サーバー、空調、これらが近い。

便利な場所にまとめた結果、同じ回路に寄ってしまうパターンです。

ここは施工側で調整できる部分もあります。

ただ、そもそも使い方が分からないと、分けようがありません。

だから棚卸しが効きます。

移転工事を荒らさないための進め方

通信・電源は、施工の話でありながら、社内の意思決定の話でもあります。

そこで、現場が荒れない進め方を一つだけ提案します。

「決める順番」を固定します。

先にレイアウト、次に通信の巣、次に機器棚卸し、最後にコンセントと配線。

この順番を守ると、後戻りが減ります。

さらに、打ち合わせで毎回これだけ決めると強いです。

今日決めること。

今日決めないこと。

次回までに誰が何を調べるか。

この3点が揃うと、移転直前に“決めてない爆弾”が爆発しにくくなります。

まとめ

オフィス移転の内装工事で「通信・電源」につまずかないためには、設計図より先に“運用の前提”を整理することが近道です。

回線の段取り、機器置き場、Wi-Fiの考え方、機器棚卸し、コンセント配置。

ここを先に固めると、工事中の変更が減り、追加費用も工期の圧迫も起きにくくなります。

仙杜工務店では、オフィス移転をご検討中の方に向けて、内装のデザイン性を大切にしながら、通信・電源を含む“運用の骨格”が破綻しない段取りで内装工事を進めています。

移転日が先に決まっている場合でも、どこから決めれば現場が止まりにくいか、何を棚卸しすれば追加が出にくいかを一緒に整理できます。

移転の内装で不安があるときほど、早い段階で一度、前提から整えるとラクになります。

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