スケルトンと居抜き、内装の坪単価はどれくらい違う?費用差が出る理由と選び方

店舗開業を考えるとき、物件選びでいちばん迷いやすいのが「スケルトンにするか、居抜きにするか」です。
同じ広さでも、内装費の出方がまるで変わるので、最初にこの違いを掴んでおくと判断が速くなります。
この記事では、坪単価の目安を示しながら「なぜ差が出るのか」「どんな条件だと逆転するのか」を、工事側の目線で噛み砕いてまとめます。
数字だけでなく、開業後の運営のしやすさにもつながる話なので、落ち着いて一緒に整理していきましょう。
スケルトンと居抜きの坪単価目安
坪単価は業種や設備条件でかなり上下しますが、ざっくりした比較の基準としては次のイメージが近いです。
1.居抜きの内装工事
居抜きは「前の店の設備や内装が残っている状態」なので、改装の坪単価が抑えやすい傾向があります。
目安として、居抜きの内装工事は 約25万〜45万円/坪 と紹介されることが多いです。
2.スケルトンの内装工事
スケルトンは「骨組みに近い状態」から作るので、設備・電気・空調・仕上げまで一通り立ち上げることになりやすいです。
目安として、スケルトンの内装工事は 約40万〜60万円/坪 程度が基準として扱われることがあります。
業種によっては、さらに上のレンジ(飲食・医療など)も普通に出ます。
ここで大事なのは「居抜き=必ず安い」「スケルトン=必ず高い」と決め打ちしないことです。
条件次第で、差が縮まったり、逆転したりします。
坪単価がズレる一番の理由は「設備の残り方」
スケルトンと居抜きの費用差は、見た目よりも「設備」の差で決まります。
1.居抜きが安くなる典型
居抜きの強みは、次のようなものが「そのまま使える」場合です。
- 給排水が営業に足りる位置と容量で残っている
- 電気容量が足りていて、分電盤も現実的
- 空調が使える状態で、配置も大きくズレていない
- 排気や換気のルートが業態に合っている
この条件が揃うと、坪単価が下がるというより、そもそも「大きな工事をしなくて済む」ので全体が軽くなります。
2.居抜きが高くなる典型
逆に、居抜きの落とし穴は「残っているけど使えない」です。
たとえば、見た目は残っていても
設備が古い、容量が足りない、ルートが邪魔、位置が合わない。
こうなると結局、撤去+作り直しになって二重コストになりやすいです。
居抜きは工事費が安く見えるぶん、契約前に「使える残り方か」を見ないと、あとから痛い出費になりやすいです。
スケルトンが「読める」場面がある
スケルトンは高い。
これは基本的に合っています。
ただしスケルトンには、居抜きにはない良さがあります。
1.費用が「読みやすい」
スケルトンは「一から作る」ので、設備計画を最初から揃えて、工事の範囲も整理しやすいです。
居抜きのように「開けてみたら追加」が起きにくい分、資金計画が立てやすい場面があります。
2.デザインと運営が両立しやすい
居抜きは既存条件に引っ張られます。
スケルトンは動線・照明・収納・水回りを、最初から「運営が続く形」で組みやすいです。
自由度は、単に見た目の自由だけじゃなくて
「続けやすい店にできる自由」でもあります。

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10坪と20坪で見たときの金額感
坪単価は幅があるので、ここでは「比較の感覚」を掴むための例として見てください。
(業種や設備条件で上下します)
1.10坪のケース
- 居抜き:25万〜45万円/坪 → 250万〜450万円
- スケルトン:40万〜60万円/坪 → 400万〜600万円
2.20坪のケース
- 居抜き:25万〜45万円/坪 → 500万〜900万円
- スケルトン:40万〜60万円/坪 → 800万〜1200万円
数字だけ見ると「やっぱり居抜きが安い」ですが、現場の実感としては
この差がそのまま出るのは「残り方が良い居抜き」のときです。
「居抜き=安い」を崩す二つの費用
居抜きを選ぶなら、この二つは最初から想定しておくと安心です。
1.造作譲渡料
前の内装や設備を引き継ぐための費用が発生することがあります。
工事費が抑えられても、ここでまとまった金額が乗ると、総額は簡単に変わります。
2.撤去と修理
残置設備が壊れていたり、入れ替えが必要だったりすると
撤去費+更新費が同時に出ます。
居抜きの費用が跳ねた案件は、だいたいこのパターンです。
坪単価で決めると失敗しやすいポイント
坪単価は便利ですが、坪単価だけで決めると、店づくりが歪みます。
1.安さのしわ寄せが出る場所がある
内装で削ると後から困りやすいのは、見た目よりも
電気容量、空調、給排水、換気、清掃性、収納。
このあたりは、開業後に毎日効いてきます。
「工事費を抑えたはずなのに、運営がしんどい店」になりやすいポイントです。
2.スケルトンでも「上げすぎ」は危険
逆にスケルトンで、最初から全部盛りにすると資金が苦しくなります。
スケルトンは「やれることが多い」ので、優先順位がないと予算が膨らみやすいです。
選び方の結論
迷ったときは、この考え方がいちばん事故が少ないです。
1.居抜きを選ぶなら
「使える残り方か」を先に確認して、使えないならスケルトン扱いで見積もる。
この姿勢でいると、あとからの追加費用で崩れにくいです。
2.スケルトンを選ぶなら
「どこにお金をかけるか」を先に決めて、最初から全部に手を出さない。
運営に直結する部分から固めていくと、無理が出ません。
まとめ
スケルトンと居抜きの坪単価は、目安としては
- 居抜き:25万〜45万円/坪
- スケルトン:40万〜60万円/坪
という比較で語られることが多いです。
ただし、実際の差を決めるのは「設備の残り方」です。
残り方が良い居抜きは強い。
残り方が悪い居抜きは、むしろ割高になりやすい。
スケルトンは高いが、計画が立てやすく、運営に合わせて作りやすい。
ここを押さえておくと、物件選びが「ギャンブル」から「判断」になります。
店舗開業をご検討中の方へ
仙杜工務店では、店舗内装工事に特化した工務店として、居抜き・スケルトンそれぞれの「費用がブレる原因」を工事目線で先に整理し、開業後に無理が出にくい進め方をご提案しています。
まだ物件が確定していない段階でも、設備条件や工事範囲の考え方だけで、避けられる失敗は多いです。
気になる点があれば、早めに一度ご相談ください。



